日本ブランドの強みと円高リスク

日本の製造業は、品質について消費者から高い評価を得ています。 「日本製(メイド・イン・ジャパン」の製品やブランドに対する信頼は、日本国内だけでなく、欧米やアジアなど海外でも一段と高まっています。 一方で、製造業は為替に影響を受けやすいというリスクもあります。 輸出で稼ぐメーカーは、円高になると業績が悪化し、株安になる傾向が強いです。


2022年

■ シライ電子工業

ロゴ シライ電子工業
銘柄コード 6658
市場 東証スタンダード
(2006年3月に「ジャスダック」上場)
本社 滋賀県野洲市
設立 1970年
創業者 白井治夫(名誉顧問)
筆頭株主 白井商事
業種 プリント配線板メーカー

2021年

■ 愛三工業

愛三工業はトヨタ系の部品メーカー。主に自動車の燃料供給装置を製造する。トヨタ自動車向けが売上高の半分を占める。2021年3月期の売上高は1800億円。従業員数は約1万1000人。海外売上高比率は約6割。

愛三工業の歴代の社長はこちら→

業種 自動車部品メーカー(製造業)
ロゴ 愛三工業
証券コード 7283
市場 東証プライム、名証1部
(1980年11月、名証2部に上場)
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2020年

2020年は、中国を発端とする新型コロナウイルス大流行により、 日本メーカーは需要と供給の両面で大打撃を受けました。 さらに、為替相場で円高が進行し、業績の足を引っ張りました。

■ スノーピーク

キャンプ用品の製造会社。野営、登山、ハイキングなどさまざまなアウトドア用品を手掛ける。 オリジナル商品を自社で開発・生産。それらを自社ブランドで販売している。国内だけでなく、韓国、台湾などアジアでも人気がある。品目は、テント、調理器具、食器類など約500点にのぼる。

金物が盛んな新潟・三条

本社は新潟県三条市。1958年に金物問屋として創業した。三条市は、金物が盛んな地域として有名。山井幸雄商店という社名だった。1996年に山井太(とおる)氏が社長に就任した。現在の社名に変更した。

ブランド力で高価格帯

キャンプ愛好家の間で支持を拡大してきた。とりわけ機能性や耐久性に対する評価が高く、リピーターが増加。 ブランド力が優れているため、他社製品との差別化ができており、高価格帯が多い。
また、積極的にキャンプイベントなどを開催。顧客の声も積極的に取り入れている。企画開発力も優れている。

直営店が35店舗

2003年に初の直営店を東京と福岡にオープンした。 2019年末の時点で直営店は35店舗。取り扱い店舗は全国300程度。

本社・工場・キャンプ場が一体化

本社は、三条の丘陵地帯にあり、そこには工場もある。さらに、約16万平方キロのキャンプ場を備え、キャンプイベントの開催地として使っている。

2014年上場

2014年に上場。そのとき、筆頭株主は山井太で、保有比率は28.29%だった。2015年から、衣料品(アパレル)の分野に進出した。

コロナ渦で「屋外レジャー」に注目

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大で、室内の密閉空間での娯楽のリスクが高まった。そこで、公園、キャンプ場での「屋外レジャー」に注目が集まった。

スノーピーク
業種 アウトドア製品メーカー
ロゴ スノーピーク
証券コード 7816
市場 東証プライム
(2014年12月、東証マザーズに上場)
上昇倍率 1.58倍
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■ マルマエ

半導体や液晶の製造装置向けの部品を生産する。 精密部品の加工が得意。とりわけ「アルミ切削加工」の技術が優れている。 出水市と埼玉県朝霞市に、3つの工場を持つ。

「複雑な形状の部品加工」に集中

技術的に難易度の高い分野に特化する。ゆがみがあってはならない部品、複雑な形状の部品に絞っている。 量産品や海外調達しやすい製品は手掛けない。

リーマンショックで私的整理

1965年に創業。タンクや配管など製缶、溶接、アルミ加工からスタートした。1988年に法人化した。 2006年12月.マザーズに新規上場。その後、リーマン・ショックの影響で経営が悪化。2011年に私的整理手続き「事業再生ADR」を申請した。2015年に事業再生計画を終了させた。

復活して東証一部へ昇格

2018年11月に東証一部に上場した。鹿児島県内に本社・本店を置く企業のうち、東証1部に上場するのは、1973年の鹿児島銀行(現九州フィナンシャルグループ)、新日本科学(2008年)に続き3社目。10年ぶりの出来事だった。

顧客は製造装置メーカー

主な販売先は、テクノデザイン、ワイエイシイ、東京エレクトロンATなど製造装置メーカー。 創業者は、前田務氏。息子の前田俊一(まえだ・としかず)氏が圧を後を継いだ。 当初の上場時は、前田俊一氏が73%の株式を保有していた。

マルマエ
業種 半導体製造装置向け部品メーカー
ロゴ マルマエ
証券コード 6264
市場 東証プライム
(2006年12月、東証マザーズ上場)
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■ ヴィッツ

自動車や携帯電話などの機器の動作を担う「組み込みソフトウエア」を手掛ける。 自動車メーカー、工作機械メーカー、家電メーカーなどから、ソフト開発を受託している。 さらに、自動車メーカーが自動運転技術をテストするための「仮想シミュレーター」も提供している。

名古屋のソフト開発会社

1997年に愛知県で設立。当初は「ソフィックス名古屋」という社名だった。工作機械の制御ソフトの請負からスタートした。2000年に自動車分野へ進出。ヴィッツに社名変更した。

2019年4月に東証マザーズに上場。さらに、2020年7月、東証1部に格上げされた。本社は、名古屋市中区栄。

独立系

組込ソフトウエアは組込装置(自動車、家電など)と一体をなして開発される。 したがって、大手メーカーまたはその子会社が手掛けることも多い。 これに対して、ヴィッツは企業系列に属していない独立系である。このため、系列を超えた企業への商品提供が可能である。

次世代交通サービスの注目銘柄

コネクテッドカー(インターネットを搭載して外部とつながる車)の分野でも期待されている。次世代交通サービス「MaaS(マース)」領域における注目銘柄の一つである。 このほか、自動車メーカーや電装部品メーカー向けに、脆弱性の調査や対策を支援するセキュリティサービスにも乗り出している。

ヴィッツ
業種 自動車向けソフトメーカー
ロゴ ヴィッツ
証券コード 4440
市場 東証スタンダード
(2019年4月上場)
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■ 栄電子

独立系の電子部品商社。東京・秋葉原に本拠を構える。主力の取り扱い商品は、スイッチング電源など。

様々なメーカーと取引する「部品商社」

顧客はメーカー。半導体製造装置、計測器、通信機、工作機械など多くの業種を取引対象にしている。このため、半導体の需要サイクルに代表される一業種の好不況の影響を受けにくい。

産業用電子部品に重点

「少量多品種・短納期」をスローガンとして掲げる。価格競争の激しい家電部品を回避。産業用電子部品に重心を置いたことが成功した。

バブル崩壊で株式公開計画がいったん中止

1971年設立。神奈川県で設立。1974年、東京都千代田区に本店を移転した。 「技術力を持った商社」を経営理念に、1985年に開発部を創設した。株式の公開を予定していたが、株式相場の低迷を受けた証券界の要請で、1991年に中止に追い込まれた。

1997年に現ジャスダックに上場

1997年に店頭市場(現ジャスダック)に株式を公開した。このころは、半導体産業の重要性が高く、半導体製造装置向けの売り上げが約4割を占めるようになっていた。

栄電子
業種 電子部品商社
ロゴ 栄電子
証券コード 7567
市場 東証スタンダード
(1997年10月上場)
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■ ザインエレクトロニクス

半導体の設計・開発を手掛ける。自社工場を持たない「ファブレス・メーカー」である。日本におけるファブレスの先駆者のうちの1社といえる。 半導体のうち、「ミックスドシグナル・システムLSI」という分野に特化している。

東芝出身の飯塚哲哉氏が創業

1992年設立。創業者は、飯塚哲哉(いいづか・てつや)氏。 飯塚氏は、茨城県出身。東京大学大学院博士課程修了。1975年に東芝に入社。半導体技術研究所の第二LSI技術開発部長に就任した。 このときに訪れた米国シリコンバレーでの経験が起業の起源となったという。

技術者から経営者への道を拓く

アメリカでは、技術者が経営者となって会社を起こし、新しい産業を創造している。一方、日本では技術者は技術者で終わるケースがほとんどだった。 「技術者である自分が起業して、日本の技術者の活躍の場を広げていきたい」と思ったという。

起業して間もなくサムスンと合弁

1991年にザイン・マイクロシステム研究所として起業。 1992年に早くも韓国・三星電子(サムスン)から技術力の高さが認められ、共同出資で別会社のザインエレクトロニクスを設立した。 当初は、韓国の三星電子(現サムスン)向けのメモリー開発設計が目的だった。

熟練エンジニアの社員が多い

1998年、サムスンとの合弁を解消。ザインエレクトロニクスが、設立母体の「ザイン・マイクロシステム研究所」を吸収。大企業と提携を組みながら、成長のバネとしていった。 2001年6月にジャスダックに上場した。熟練エンジニアの社員が多い。

ザインエレクトロニクス
業種 半導体メーカー
ロゴ ザインエレクトロニクス
証券コード 6769
市場 東証スタンダード
(2001年8月上場)
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■ 高田工業所

プラント建設会社。鉄鋼メーカーや化学メーカーの工場設備を施工する。製鉄、化学プラントのほか、石油・天然ガス設備、電力設備が中心。電機の工も手掛ける。

工場の建設やメンテナンス

生産ライン設備の設計から製作、建設、メンテナンスまでを一貫して手掛けるのが強み。 本社は福岡県北九州市。福岡銀行が筆頭株主。海外では、シンガポールなど東南アジアを中心に展開する。

三菱化成の工場の修理サポートが原点

1940年に福岡で創業した。三菱化成の黒崎工場(北九州市)の修理事業を始めたのが、スタートだった。当初は個人事業。「高田組」という名称だった。 1948年に高田工業所として株式会社化した。新日鉄、三菱化成関連の工事中心に完工高を伸ばした。

まず福証でIPO

1970年代に海外に進出。1980年代の円高を契機に、国内強化に取り組んだ。1983年に福岡証券取引所に新規上場した。

大証二部上場で関西強化

1993年に大阪証券取引所二部へ上場した。当時の石井哲之介社長は「1992年末、大阪支社(中央区)を設置しており、関西圏での地盤強化が狙い」と語っていた。

高田工業所
業種 工場建設
ロゴ 高田工業所
証券コード 1966
市場 東証スタンダード(福岡)
(1983年11月上場)
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■ エクスモーション

自動車メーカーのソフト開発を支援する会社である。 自ら直接開発を手掛けるのではなく、顧客メーカーの開発の課題解決をサポートする。 コンサル会社という位置づけだ。

メーカーの製品設計をサポート

とりわけ設計段階でのサポートに強い。プロジェクト全体を見渡し、最適設計や将来の機能追加・変更などを想定した設計に貢献する。いわば、日本のものづくりを陰で支える黒子役。

技術系コンサルタント

自動車メーカーが抱えるソフト開発の課題は多岐にわたる。これらすべてに対応するには相当なスキルと経験が必要になる。 エクスモーションでは、ソフトウェア開発に役立つ技術と豊富な経験を有する技術系コンサルタントを擁している。 分析と提案にとどまらず、顧客とともに手を動かす。いわば「実践型のコンサルティング」である。

電気自動車にも対応

電気自動車(EV)などに用いられる大規模で複雑な組み込みソフトにも対応している。このほか、ソフト技術者の人材育成サポートや教育ツールの提供も手掛ける。

主要取引先はトヨタなど

主要顧客は、愛知県豊田市のトヨタ自動車のほか、ホンダ、スバルなど。自動車メーカー各社が推進する「自動運転」も後押ししている。

ソフト大手ソルクシーズの子会社

2008年設立。大手のソフトウエア開発会社「ソルクシーズ」が出資母体となって発足した。現在もソルクシーズの子会社である。
ソルクシーズは東証一部上場。1981年の設立。鉄道の運行管理、流通業のICカードシステム、電子証券取引、官公庁の電子認証・公証システムなどで実績を持つ。富士通とそのグループ向け売上高が高いのが特徴。

エクスモーション
業種 自動車メーカーのソフト開発支援
ロゴ エクスモーション
証券コード 4394
市場 東証グロース
(2018年7月上場)
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■ テラプローブ

半導体の試験の専門会社。半導体メーカーや半導体製造装置メーカーから、製造工程のテストを受託する。

台湾系、半導体製造のテスト会社

台湾の半導体メーカー、パワーテック・テクノロジー(力成科技、Powertech Technology)の子会社。国内と台湾に拠点がある。

後に倒産するエルピーダが母体

2005年に設立。NECや日立などが半導体メモリー(DRAM)を切り離して誕生した「エルピーダメモリ」が設立母体だった。 エルピーダのほか、米国キングストンテクノロジー、アドバンテスト、台湾のパワーテック・テクノロジー(力成科技)が出資した。

2010年にマザーズ上場

2010年12月マザーズに上場。上場時点ではエルピーダが株式の57%を握っていた。 エルピーダは後に倒産するが、当時のエルピーダはDRAMで世界3位だった。エルピーダが国内で生産するDRAMのテストを一手に引き受けていた。売上高全体のうちエルピーダ向けが占める割合は7割を超えていた。

パワーテック傘下に

2017年、公開買付けにより、台湾パワーテック・テクノロジーの連結子会社になった。

テラプローブ
業種 半導体製造工程のテスト
ロゴ テラプローブ
証券コード 6627
市場 東証スタンダード
(2010年12月上場)
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■ PALTEK(パルテック)

半導体商社。半導体を海外から輸入し、国内の電機メーカーに販売する。

半導体商社。設計サポートも

また、取引先メーカーの設計・開発をサポートするサービスも手掛ける。メーカーに対して、試作ボードや量産ボードの製造もサポートする。

創業者・高橋忠仁氏

創業者は高橋忠仁(たかはし・ただひと)氏。鹿児島県出身。 1974年10月、中央大学法学部を中退し、外資系保険会社(AIU)に入社。 1982年に独立し、電子部品の販売会社パルテックを起業した。

サラリーマンに満足できず起業

会社設立の動機は「押しつけの価値観が嫌いで、(サラリーマンとして)勤めても納得できないことが多かった。だったら自分で会社をつくったほうがいい」と考えたという。ただ、この間、妻子は食事代にもこと欠くような厳しい家計状況だったという。

「PLD」で成長

当社の大きな飛躍のきっかけとなったのが、PLD(書き換え可能な論理回路)との出会いである。PLDは、半導体の中でもユーザーの用途に特化したASIC(特定用途向け集積回路)の一種。

米大手メーカーと代理店契約

高橋氏は、半導体産業はユーザーニーズの多様化が進むと考えていた。そこで、1985年、PLDの世界市場をリードしていた米アルテラ社と販売代理店の契約を結んだ。 2006年には、PLDの世界的メーカーである米ザイリンクス社と販売代理店契約を締結した。

多国籍の社員

経営上の強みとなったのは、多国籍の従業員と独自の顧客データベースだという。 パルテックは半導体を世界各国から仕入れているが、仕入れ先のコミュニティーにコミットしなければ、有益な情報がやり取りできない。 そこで社員の多国籍化を進めた。 同時に、情報のデータベース化を進めることで、 取引先のメーカーの設計者に役立つにような提案ができるようになったという。

京セラ創業者の稲盛和夫氏から学ぶ

高橋氏は、京セラ創業者の稲盛和夫氏が主宰する盛和塾で勉強したというほどの稲盛ファン。会社の組織づくりにあたっては、京セラのアメーバ方式を採用したという。

PALTEK(パルテック)
業種 半導体商社
ロゴ パルテック
証券コード 7587
市場 東証2部
(1998年7月上場)
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2021年8月上場廃止(同業他社のレスターに買収された)
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パルテック創業者・高橋忠仁氏の動画